top

サンタクロース
それは、子どもたちに夢を配る仕事。
憧れていた。
いつか自分も父さんのようになるんだ。
……そう思っていた。

10年前、
あの冬の日
父さんはいつものように笑って言った。
「すぐ帰ってくるよ。」
その言葉と大きな背中を信じていた。
でも、そのまま父さんは戻っては来なかった。

その時から
俺はサンタクロースが嫌いになった。

10年前から、
もう随分と時間が経ったけど
あの冬の日から
俺の時間は止まったままだ。

時が過ぎて
その大嫌いなサンタクロースになるために
今、俺はサンタクロース学校の
卒業試験を受けようとしている。
父さんの仕事 サンタクロース
その存在の意味を探して……。